もりよしのあどばーたいずめんとだいありー

主に、本の感想や旅行に関することを投稿します。

ゴールデンスランバーを読んで

お久しぶりです。もりよしです。

今回は、本屋大賞山本周五郎賞を受賞した伊坂幸太郎さんの「ゴールデンスランバー」についての話をしていこうと思います。

この本買えばわかるのですが、とても分厚いんですよね。

総ページ数は678ページです。

読書が好きな僕にとっても、「うげぇ」と思わず唸ってしまいそうなページ数です。

しかし、読み進めてみると、案外好ペースで読むことができました。

どんだけ分厚い本でも、内容が面白ければ、意外と読めるものなのだと感じました。

伊坂幸太郎さんは、作家のなかでも特にユーモアに長けている作家だとつくつぐ思います。

この作品のみならず、伊坂さんの作品を読んでいる際に、思わずくすくすと笑ってしまうようなことが多々あります。

全作品に独特の世界観を持った登場人物が必ずいるんですよ。

今回の作品で言えば、「殺人は許せても、痴漢は絶対に許さない」という信念を持った人や、「森の声が聞こえる」とまるで未来を予測できるようなことを言い出す人物などですね。

こういったユニークな人物が、深みのある言葉を発するというこのギャップもいいんですよ。

まあ、伊坂幸太郎さんの作品を読む機会があれば、その辺りに注目して読み進めるとより楽しめるかなぁと思います。

それでは、この作品の概要を説明していきます。

この作品を一言で言えば、冤罪の物語です。

ある日、仙台市で行われた首相パレード中に首相が暗殺されるという事件が発生した。

その事件の容疑者として青柳雅春という青年が挙げられ、全国にその名が知れわたる。

しかし、青柳雅春は本当は犯人ではない。

そのことは、誰よりも青柳雅春がよくわかっている。

事件の直後、青柳は親友の森田森吾(森の声が聞こえる主)から「お前オズワルド※にされるぞ」と忠告を受ける。

すなわち、国家や秘密組織といったものが都合合わせのために、青柳雅春を逮捕して始末をつけようと企てているということだ。

親友からの忠告を受け、青柳雅春は「とにかく逃げる」という方法をとる。

果たして青柳雅春の逃亡劇はどのような結末を迎えるのか?というのがこの物語の醍醐味です。

まああどばーたいずめんとはこの程度にしておきましょう。

最後に、僕の感想を記していきたいと思います。

伊坂幸太郎さんがこの本で読者に伝えたいことは、「メディアにごまかされるな」ということだと思います。

今現在のメディアは、いかに正しい情報を発信するかではなく、いかに人々の注目を浴びるような情報を発信するかということに力を注ぎすぎているのではないかと思います。(まあ、僕はメディアについての知識は乏しいので偉そうなことを言える立場ではないのですが...)

そして、注目度を上げるために、少々物事を脚色して発信してもいいだろうという感情が伺えます。

伊坂幸太郎さんは、「我々大衆は、メディアの情報を鵜呑みにしすぎているのではないか。」と嘆いているのかもしれません。

「そんなことを言うお前はメディアリテラシーはあるのか」と言われれば、全くありません。

しかし、ニュースで流れている情報をそのまま受け取ることはしません。

数少ない知識を駆使して、その情報を批判します。

ここで言う批判とは、罵倒したりすることではなく、本質を見抜こうとすることです。

知識の有無にかかわらず、批判(自分で考える)することが、メディアリテラシーを鍛えていく一つの方法だと思います。

最後の最後にひとつだけ言わせてください。(これからメディアリテラシーが全くない僕が偉そうなことを抜かします。「偉そうなこと言いやがったら、タダじゃおかねえからなぁ!」と僕を威圧するような気持ちで続きをお楽しみください。)

情報の質を上げるには、我々大衆が情報を選ぶようにしなければいけないと思います。

情報で溢れかえっている現代日本は、「情報を取得しよう!」と思わなくても、勝手に情報が入ってきます。

圧倒的に情報の供給が需要を上回っている状態です。

需要と供給のバランスが悪いと我々が受け取る情報も質が悪いままなのではないでしょうか。

僕自身もメディアリテラシーを強固なものにしていくために、常識を疑う視野をもって、生活を送っていこうと思います。

今回も読んでいただきありがとうございました。

※オズワルド・・・ケネディ暗殺の際に犯人?として捕まえられ、護送中に射殺された人物