もりよしのあどばーたいずめんとだいありー

主に、本の感想や旅行に関することを投稿します。

M-1グランプリ2019part2

昔となりのおしゃれなお姉さんは〜

クリスマスの日私に言った〜♫

どうも、もりよしです。

何を歌っているかって?ユーミンの「恋人がサンタクロース」ですよ。

(最高級の自虐ネタ)


まあ、自虐ネタは置いといて、今年のM-1の寸評の続きを語っていこうと思います。


6、見取り図


かなりレベルアップしてましたね。去年も「アタオカ」とか、「すがゆりこ」とか「マルコ牧師」という独特のワードセンスで笑いを取ってましたが、今年もワードセンスで勝負するネタでした。まぁ、正統派といえば正統派な漫才ですかね。僕自身正統派の漫才よりも変則的な漫才の方が好きなんですが、このネタで正統派の凄さを改めて実感しました。

去年もそうだったんですが、見取り図さんは、構成が好きなんですよね。前半でフッておいたものを後半で綺麗に回収してくれるので、見てて非常に気持ちがいいんです。今回は、褒め合うという入りから段々とけなし合うというネタでした。「太っちょキリスト」とか、「あおり運転の申し子」、「エグザイルの41軍」とか面白すぎでしょ。掛け合いが良かったです。去年の「それ誰やねん!」っていうネタが聞けて良かったです。


7、ミルクボーイ


賛否両論あるし、物議を醸しているミルクボーイさんですが、僕はすごいと思いました。これはもう、「THE 漫才」っていう感じですね。「コーンフレーク」という無機質でそれだけでは何も面白くないワードで、あそこまで笑いに変えるのは、シンプルにすごいと思います。観察眼がすごいのか、掘り下げる能力に長けているのか。羨ましいです。僕もこの二人ぐらいの観察眼と突き詰める能力が欲しい。僕も何か、無機質なものでブログでも書いてみようかな。「電子レンジ」とかで。


8、オズワルド


ちょっと順番的に可哀想と思いました。オズワルドさんは、関東出身で脱力系漫才というかシュール系漫才というか、しっとりした雰囲気の漫才なので、一個前のミルクボーイさんの圧がある漫才の次だと、インパクトが薄れちゃうと思ったからです。少し順番の妙はあったように感じます。でも、しっかりと味が出てて良かったと思います。ミルクボーイさん一体になっていた空気を自分たちの空気に変えていました。会話のズレを用いて進めてく漫才。なんかちょっとかまいたちさんと少し被っちゃってましたね。そこが惜しかったです。おぎやはぎさんっぽかったようにも感じました。コンテストで関東の漫才が関西の漫才に勝つのは難しいですね。どうしても勝ち上がるためには、インパクト(圧)が必要になってくるのでしょう。関東の言葉と関西の言葉の違いは何なのか。個人的にこの点は大学生活で掘り下げていきたいです。


9、インディアンス


「もしかしたら、優勝するんじゃないか?」と個人的には踏んでました。田渕さんのテンションが上がれば上がるほど面白いんですよね。だからこそ、流れに乗れば、彼らは爆発するんじゃないかと期待していましたが、残念でした。でも、めちゃくちゃ笑いました。「おっさん女子高生」っていう設定いいですよね。まるで辻褄が合ってないような人物を作り上げて、演じていく。この発想性はすごいです。でも、ナイツの塙さんが仰っていたように、おっさんらしさが少し足らなかったのがもったいなかったですね。(「誰が言ってんねん」と誰か僕に怒ってください。よろしくお願いします。一生のお願いです。)


10、ぺこぱ


一番笑いました。最後らへんは、お腹が痛くてしょうがなかったです。まさに、変則系漫才ですね。個人的には、第1位かもしれません。松本さんが言ってましたが、「ノリ突っ込まないボケ」という新しいものを創造するのは、才能ですね。思いつきそうで思いつかない武器ですね。完全にハマっちゃったので、早速僕も、日常生活で使っちゃってます。構成とか技術とかで勝負するのではなく、個々のボケで勝負する系の漫才の爆発力は凄まじいですね。敗者復活戦のトムブラウンさんとか、天竺鼠さんもそうでした。僕はこういう突拍子も無い漫才にものすごく惹かれます。


そして、予選を勝ち上がり、決勝に進んだのは、ぺこぱさん、かまいたちさん、ミルクボーイさん。そして、見事ミルクボーイさんが優勝しました。正統派漫才の強さを痛感しました。この決勝を簡単に表現すれば、「技術対王道対変則」ではないでしょうか。個人的には、ぺこぱさんにいってほしかったですが、残念ながら一票も入りませんでした。僕が疑問に思ったのは、「変則系漫才(2010年のスリムクラブさんとか)はなぜ勝ちにくいのか」ということです。僕の持論としてはおそらく、審査員がやってきた実績に近い漫才がミルクボーイさんの漫才だったように感じるのだと思います。だから、ぺこぱさんのように、今までに誰もやってこなかったような漫才は、審査員としても、触れてこなかったところなので、一票として評価するのは難しいのではないかというのが僕の意見です。もちろんのこと、審査員にも、プライドがあります。ここが変則系漫才が勝ちにくい理由でしょう。いつか、創造力、発想性が伝統性に勝てる時代が来るのを僕は望みます。僕がなぜここまで創造性にこだわっているのか疑問に思う方もいらっしゃると思うので説明させてください。僕は創造には必ず伝統をオマージュする能力が必要不可欠だと思うからです。例えば、ぺこぱさんのノリ突っ込まない漫才は、ノリツッコミという伝統から生まれたものだと思うのです。ノリツッコミという知識があるから、それを逆手にとって応用し、今回のような独自な漫才が生まれるのだと思います。ここで一つ言っておきたいのは、何も僕がノリツッコミをそのまま取り入れた伝統的・正統派漫才を軽視してるわけではないということです。伝統をブラッシュアップするのも素晴らしい才能です。ただ僕自身は立川志らくさんが仰っていたような「伝統と創造が融合された漫才」が好みであるというだけのことです。おそらく僕は創造できる能力がある人を羨ましがっているんです。憧れなんです。指をくわえながら「ああいう人になりたいな」と夢想してるんです。だからこそ、ぺこぱさんのような独特の漫才に惹かれるのでしょう。これから僕も創造力のある人間になれるように頑張っていきたいです。


もう一つ、僕が面白いと思ったこと。それは、「技術のかまいたちさん」と「大衆ウケのミルクボーイさん」では、「大衆ウケのミルクボーイさん」の方が審査員の評価を得ることができたことです。これはおそらく漫才は人に受け入れてもらえるかどうかが重要視されることからこのような結果になったのだと思います。どれだけ技術が極められていてもお客さんに受け入れられなければ意味がないという暗黙の了解的なものがあるのでしょうか。「お客さんに受け入れられる=ウケ」なのでしょう。僕が思うに、予選では玄人ウケが重要視され、決勝では大衆ウケが重視されるように思います。そして、今回においては玄人にもウケて

大衆にもウケたのがミルクボーイさんだったということなのでしょう。


今回のM-1は過去最高に面白いものだったと本当に思います。その理由の一つとして、多様性があげられると思います。何か今のグローバル化が進んでいる日本の状況を抽出したような大会でしたね。そう考えると、M-1が面白かったと感じた僕は、今現在の社会も面白いと感じられるのではないかと改めて感じました。「誰にでも個性はある」「みんな違ってみんないい」ということを改めて実感した大会でした。長々としたしょうもない自己満足のための感想文を読んでいただきありがとうございました。